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Technology9. アプリケーション・フレームワーク

サービスの設計をする際には、アプリケーションの設計だけではなく、運用モデルの設計も行う必要があります。運用モデルとは、アプリケーションが稼動する環境や、それがどのように利用され、どのように管理されるかという具体的な実践のイメージです。

アプリケーションと運用モデルはお互いに影響を与え合う密接な関係があり、整合性が取られる必要があります。運用モデルはまた、実際のアプリケーション稼動環境で展開可能なものでなければなりません。

しかし、設計の初期段階においてプロジェクトの関係者は、アプリケーションに要求されている機能をどのように実現するかに心を奪われており、管理性や運用性にまで注意を払うことはほとんどありません。コストやスケジュール上の圧力によって、非機能性要件が犠牲になることもよくある話です。

これを避ける一つの方法は、熟慮されたアプリケーション・フレームワークを設計の指針として確立することです。アプリケーション・アーキテクチャは、アプリケーションと運用モデルの両方に強い影響を与えるので、明確な方針を示すことで、より容易に非機能性要件を設計に取り入れることができます。

管理性や運用性がアプリケーション・フレームワークという形で標準設計の一部として組み込まれ、開発組織の文化として定着します。複数の顧客を持つ開発を専門としている組織は、顧客ごとに異なるアプリケーション・フレームワークが必要になるかもしれません。

しかし、開発業務を継続して受託する手段であり、顧客満足度を向上させる付加価値の一つと考えれば、あとは投資対効果の観点からその採用の是非を判断すれば良いことになります。