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Technology3. アプリケーション開発とサービスマネジメントの関係

昨今は、サービスマネジメントの重要性が至るところで取り上げられるようになりましたが、そのきっかけとなった一つの報告書があります。ITILの「アプリケーション管理」にも取り上げられているそれは、「稼動停止の原因」に関するガートナー・レポートです。

この内容が最初に発表された1998年は、インターネットによるサービスが急速に広まりつつあり、インターネットによってビジネスの枠組みが大きく様変わりすると多くの人が信じて疑わなかった時代です。

ITサービスの稼動停止は頻繁に起こり、その度にインフラストラクチャの脆弱性が指摘されていました。製品の品質が悪いことを嘆く当時の風潮に対して、ガートナー・レポートは必ずしもそのことに賛同する内容ではありませんでした。

『稼動停止の80%近くがオペレータのミス(40%)とアプリケーションの障害(40%)の結果として発生している。残りの20%が、オペレーティング・システムとハードウェアに起因する技術的なエラーの結果である。』

すなわち、世間は稼動停止の原因を製品の不具合に求めるが、実はアプリケーションやオペレーションの問題であることが多いと主張したのです。その中でアプリケーションの障害として指摘されたのは次のような原因です。

  • テスト未実施
  • 変更管理
  • 過負荷

逆の言い方をすれば、テストをきちんと実施して、変更のリスクを評価して十分な対策をとり、システムに対する負荷を正確に予測して必要な資源を供給すれば、稼動停止の40%を防ぐことができるわけです。

アプリケーション開発者にとってアプリケーションの保守や運用は面倒な話です。別世界のこととしてできるだけ関わらないように立ち回ります。しかし、サービスマネジメントの観点からみれば許されることではありません。アプリケーションの開発過程は、サービスの品質に大きな影響を与えているのです。