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Technology11. アプリケーション・サイジング

アプリケーション・サイジングは、アプリケーションの性能要件を満たし、サービスの品質を維持するためには必要不可欠な活動です。

アプリケーション開発者が要件定義で最も注意しなければならないのは、性能に関して実現が困難な機能要件を無条件に受け入れてはならないということです。

論理的に可能なことでも、その機能を顧客の期待通りに実現するためには、ビジネス的には受け入れられない時間や費用がかかることもあります。無理な要件か否かを判断するためには、ハードウェアやミドルウェアなどインフラストラクチャの知識や経験が必要です。

可能であれば、インフラストラクチャの専門家が要件定義からプロジェクトに参加することが望ましいわけですが、仮にそれが困難な場合でも、機能要件を決定する前にインフラストラクチャの専門家を交えた性能レビューを省くことはできません。

アプリケーション・サイジングもアプリケーション・フレームワークの下で標準化されるべきです。同じアーキテクチャにおける過去の経験やそれまでの実績は、アプリケーション・サイジングの場面でも有効に生かされます。

ここにITILの真髄があります。ITILの主張は、繰り返されるプロセスに焦点を当て、そのプロセスを改善することでより有効で効率的に求められている結果を導き出すことです。ITILは、運用を改善する魔法の仕掛けではありません。日常の業務に対する地道な品質改善活動なのです。

アプリケーション・サイジングは、アプリケーションが合意したサービスレベルを確実に満たすために必要なリソースを見積もることであり、キャパシティ管理プロセスの一つの活動として位置づけられています。