Technology1. ITサービスマネジメント
従来、システムの運用業務はシステム管理と呼ばれてきました。このシステム管理は、この数年間の間にITサービスマネジメントと呼ばれるようになり、その重要性がより多くの人々に認識されつつあります。
ITサービスマネジメントとは、企業のビジネス要件に適合したITサービスを、供給しサポートすることです。どちらかと言えば内向きであったシステム管理を超えて、企業や利用者がそのサービスに何を求めているかに目を向けることを要求しています。
例えば、終業間近に問合せが集中するサービスがあった場合、顧客窓口の常識的な対応方法としては次の2つが考えられます。
- ① 終業時間とともに自動応答に切り替え、電話を受け付けない
- ② 問合せが一段落するまで電話を受け付ける
①の方法の場合、時間内に電話をしたにもかかわらず、問合せが集中したために連絡が取れなかったユーザはどのように感じるでしょうか?
②の方法は顧客にとっては親切ですが、サポートスタッフはいつ終わるか分からないサポート業務に不満を抱くかも知れません。
必要なのはサービスの最適化です。サービスを供給する側と利用する側がしっかりとしたコミュニケーションを図ることで、別の選択肢も生まれてきます。
- ③ 終業時間後も電話を受け付けるが、別途料金を請求する
- ④ 利用者に現状を伝え、終業間近の連絡を控えてもらう
何だそんなことかと思われるかもしれません。しかし、現実の世界ではそのちょっとしたコミュニケーションがおろそかになりがちです。
ITによって提供されるサービスに対するニーズを的確に把握し、コストや料金を支払う側が満足するサービスを供給することを確実にする活動が、ITサービスマネジメントなのです。