PDFlib

高度なPDFアプリケーションの開発を支援する定番プログラムライブラリー Supported by インフォテック株式会社

PDFlib (PDF を作る、書く、重ねる、配置する)

PDFlib機械(イラスト)

PDFlib はドイツ PDFlib 社が開発した、PDF (Portable Document Format) ファイルを作るためのプログラムライブラリーです。PDF を取り扱う標準的なライブラリーとして世界 100 カ国以上で 20,000 ライセンス以上、日本でも 1,000 ライセンス以上が利用されている定番ライブラリーです。

PDF はその仕様書が英文で 1,000 ページを超えるほどの複雑な文書仕様ですが、PDFlib を使用することで、プログラマーは PDF の内部的な詳細に煩わされずに、テキストやイメージなどで構成される複雑な PDF 文書やデータに応じて変更するダイナミックな PDF 文書、既存の PDF 文書を取り込んだ PDF 文書などを簡単に生成することができます。

PDF を作る PDFlib の他にも、 【PDF を読む】 TET【PDF を守る】 PLOP/ PLOP DSがあります。

PDFlib の製品構成

PDFlib には、

  1. PDFlib
  2. PDFlib+PDI
  3. PDFlib Personalization Server (PPS)
PDFlibパッケージ種類(イラスト)

の3種類の製品が用意されています。

PDFlib (PDF を書く)

PDFlib は PDF を作るために必要なすべての機能を備えています。テキスト、グラフィック、イメージの配置と言った基本的なことから、ページ内リンクの作成、しおりの作成、レイヤーの作成、ポートフォリオの作成、パスワードによる暗号化まで、すべて PDFlib の関数を呼び出すだけで行うことができます。

PDFlib を使うと、ファイルオブジェクトを扱うような感覚で PDF を作ることができます。PDFlib オブジェクトを生成する、コンテンツを追加する、PDFlib オブジェクトを閉じる、というおなじみの手順で PDF が作成できます。(PDFlib 入門で詳しく解説しています)

図1 PDFlib による PDF 作成手順

PDFlib+PDI (PDF を重ねる)

PDFlib はあらゆる PDF を作ることができますが、すべての内容を PDFlib を使って表現しなければなりません。そのため、見積書や請求書のような決まりきったフォーマットに個別のデータを配置して PDF を作る場合でも、フォーマットを一から PDFlib で作成する必要があります。またフォーマットが変更されれば、フォーマット作成部分を書き直さなければなりません。

PDFlib+PDI は、このような用途に対応する製品で、既にある PDF から取り出したページの上に、テキストやイメージを配置することができます。Microsoft Word 等の文章作成ソフトでフォーマット用の PDF を作成すれば、あとは個別のデータを配置するだけで PDF が作れます。またフォーマットが変更された場合でも、読み込むフォーマット用の PDF を入れ替えるだけで対応することができます。

図2 PDFlib+PDI による PDF 作成手順

PPS (PDF を配置する)

PDFlib+PDI はフォーマット用の PDF を変えることで様々な PDF を作ることができますが、データを配置する場所は一定です。そのため、レイアウトの変更を含むフォーマットの変更に対応するためには、データの配置位置を変更しなければなりません。

PPS はこのような用途に対応する製品で、フォーマット用の PDF 上にデータの配置場所を指定することができ、PPS は配置場所の名前を基にデータを配置します。このデータの配置場所は PDFlib ブロックと呼ばれ、Adobe Acrobat を使って視覚的に配置、調整することができます。そのため、PDFlib ブロックの名前さえ決めておけば、ブロックの配置、調整はデザイナー等の非プログラマーでも行うことができます。

図3 PPS による PDF 作成手順

図4 ブロックプラグインの動作イメージ

上記の例の通り、PDFlib から PDFlib+PDI、PPS と上位製品になるにつれてプログラムを修正する手間が少なくなり、PPS ではプログラムを修正することなくフォーマットを入れ替えることができます。これにより開発やテストの工数を大幅に抑えることができます。

PDFlib で利用できる機能については PDFlib 機能一覧をご覧ください。

対応する PDF バージョン

PDFlib 9.3 では、以下の PDF バージョンに対応しています。

  • PDF 1.3 (Acrobat 4)
  • PDF 1.4 (Acrobat 5)
  • PDF 1.5 (Acrobat 6)
  • PDF 1.6 (Acrobat 7)
  • PDF 1.7 (Acrobat 8, ISO3200-1)
  • PDF 1.7 Extension Level 3 (Acrobat 9)
  • PDF 1.7 Extension Level 8 (Acrobat X/XI/DC)
  • PDF 2.0 (ISO 32000-2)

その他、ISO 規格の拡張仕様である PDF/X, PDF/A, PDF/VT, PDF/UA にも対応しています。

また、独自の修復機能により、破損した PDF についても可能な限り対応します。

PDFlib の利用分野

PDFlib の主なねらいは、ユーザプログラムの中、あるいはウェブ上でダイナミック (動的) に PDF を作成することです。ウェブ上で動的に生成される HTML ページと同様に、ユーザ入力やウェブサーバ上のデータベースから参照されるような動的なデータをもとに PDFlib プログラムは動的に PDF を生成します。

  • プログラムからの出力結果を、あらゆる環境で閲覧できるように PDF で保存する
  • データベースの顧客情報を使い、すべての顧客に個別のレターヘッダを作成する
  • レイアウトは異なるが同じデータを使用する PDF を数種類作成する
  • EC サイトで、ユーザー情報と注文内容から注文明細や請求書を自動生成する

PDFlib 9の新機能

最新版 PDFlib 9 では、さまざまな新機能を搭載しています。

詳しくはPDFlib 9 の新機能を、ご覧ください。

PDFlib の技術情報・サンプル

初めて PDFlib をご利用いただく場合、PDFlib 入門を一読されることをお奨めいたします。PDFlib 入門には、PDFlib で文書を作るための基本的な機能をご紹介しています。

PDFlib の機能については PDFlib 機能一覧を、各機能の詳細についてはダウンロードページにある日本語リファレンスマニュアルを参照ください。また各言語バインディングにはサンプルプログラムがありますので、動作確認等にご利用ください。その他、機能毎のサンプルとして PDFlib サンプル集 (クックブック) や、技術的なトピックとして PDFlib テクニカルトピック を公開しています。

PDF 文書解析のための pCOS インターフェース

PDFlib+PDI、PPS には、PDF 文書中のメタデータやページ内のリンクといった属性情報を取得するための pCOS インターフェースも内蔵されています。

詳細は pCOS インターフェースをご覧ください。

PDFlib の入手方法

PDFlib は、当サイトの ダウンロードページからダウンロードして試用することができます。

ダウンロードした PDFlib は評価版パッケージとして上記表にある3種類の製品の全ての機能を使用することができます。ただし、有効なライセンスキーを適用するまでは、全ての出力ページにデモスタンプが表示されます。ご注文後、送付されるライセンスキーをパッケージに適用するとデモスタンプが出力されなくなります。(ライセンスキー適用後は購入した製品以外の機能は使用できなくなります)

PDFlib の購入方法

PDFlib の価格と購入方法については PDFlib 製品の価格・購入方法をご覧ください。

最上位製品の PPS 以外を購入された場合には、ライセンスキーの適用により該当する製品の機能しか利用できなくなりますので、ご注意ください。アプリケーションで必要な関数がどの製品に含まれるのか十分確認のうえ、購入製品を決定してください。

(Jul 14, 2003 - Jul 20, 2020)