PDFlib 9 の新機能
PDFlib 9 では、さまざまな新機能を搭載しています。このページでは PDFlib 9 の主要な新機能を説明します。
PDFlib 9 は ダウンロードページ からダウンロードして試用することができます。
PDF/A-2、PDF/A3 の作成
PDFlib 9 では、作成できる長期保存向けの PDF/A 標準が更に 2種類追加されます。PDF/A-2 は PDF 1.7 をベースとしており、透過、JPEG 2000 圧縮形式、レイヤー等の多くの機能をサポートしています。PDF/A-2 は PDF/A-1 または PDF/A-2 の文書を埋め込み可能ですが、PDF/A-3 では任意のファイル形式を埋め込むことができます。
タグ付き PDF と PDF/UA の作成
PDFlib 9 では、タグの短縮記法と Artifact タグの自動タグ付けにより、タグ付き PDF を簡単に作成することができます。例えば、PDFlib のテーブルフォーマッターは自動的にテーブルタグを付けます。PDFlib+PDI を使い、タグ付き PDF を構成要素ごとインポートすることもできます。
PDFlib 9 では、PDF/UA (Universal Accessibility) 標準に従いアクセシビリティに配慮した PDF を作成することができます。PDF/UA は PDF 1.7 をベースにしており、WCAG 2.0 (Web Content Accessibility Guidelines) に合ったアクセシビリティを実現できるようタグが強化されています。
PDF/VT の作成
PDF/VT はバリアブル印刷やトランザクション印刷向けの標準規格です。PDFlib 9 では、Variable Document Publishing (VDP) である ISO 16612-2 に従った PDF/VT-1、PDF/VT-2、 PDF/VT2s の PDF を作成することができます。PDF/VT 標準に従い、Document Part Metadata (DPM) を添付することもできます。
スカラーベクターグラフィック (SVG) 対応
PDFlib 9 では、SVG 形式のベクターグラフィックに対応します。Web 業界では SVG がベクターグラフィックの標準であり、多くの主要ブラウザでサポートされています。
フォント利用とテキスト出力の強化
PDFlib 9 では、PDFlib のフォントエンジンとテキスト処理が強化され、下記の様々な用途に対応しました。
- 日中韓異体字用の異体字セレクタ (IVS)
- W3C によって策定された新しい TrueType/OpenType フォントである WOFF (Web Open Font Format) フォント
- SVG フォント
- SVG を埋め込み用フォントとして使う OpenType のバリアントのような CEF (Compact Embedded Font) フォント
- NFC, NFKC 等のすべての Unicode 正規化に対応
- UPR PDFklifUフォントを自動的に作成します
- PDFlib+PDI による PDF のインポート
下記は PDF インポートライブラリの PDFlib+PDI の新機能です。
- タグ付き PDF 文書を構成要素込みでインポート
- レイヤー定義のインポート
PPS とブロックプラグイン
PDFlib 9 では、PPS に以下の新機能が加わります。
- PDFlib ブロックのブロックタイプに SVG 形式を扱う「Graphics」が追加されます
- PDFlib ブロックを PPS だけでなくブロックプラグインでも読み込めるようになります
- PDFlib ブロックに新たなプロパティが加わります
プログラム的に PDFlib ブロックを作成
PDFlib 9 では、PDFlib ブロックをブロックプラグインで対話的に作成する他に、PPS でプログラム的に作成することができます。インポートした PDF ページ上の PDFlib ブロックを、出力上にコピーすることができます。これらの機能により、PPS はテンプレートファイルを自身で作成できるようになり、より高度な文書作成ワークフローが可能になります。
PDF Object Creation API (POCA)
PDFlib 9 では、POCA というローレベル PDF オブジェクトを作成する関数と、作成したオブジェクトを出力する関数が追加されます。POCA は下記の用途に使用することができます:
- PDF/VT 向けに Document Part Metadata (DPM) を作成
- PPS で使用する PDFlib ブロックをプログラム的に作成
- Flash 等のリッチメディア注釈用に引数リストを作成
マルチメディアコンテンツの埋め込み
PDFlib 9 では、Flash、音楽、映像、3D コンテンツ を利用したリッチメディア注釈を作成することができます。作成したリッチメディアは JavaScript や PDF アクションで操作することができます。PDFlib 9 では、下記のマルチメディア機能が新たに使えるようになりました:
- リッチメディア注釈
- リッチメディアに対するアクションの実行
- Flash による PDF ポートフォリオのカスタムプレゼンテーション
強化された暗号アルゴリズム
PDFlib 9 では、Acrobat X/XI の PDF 文書暗号化方式をサポートします。この暗号方式は AES-256 をベースとしており、PDF 1.7 Adobe extension level 8 や、ISO 32000-2 にあたる PDF 2.0 で仕様化されています。
その他の新機能
PDFlib 9 では、他にも下記の点が強化されています:
- テーブルフォーマッターとテキストフローフォーマッターの強化
- 幾何学的なオブジェクトパスを作成するのに便利な関数の追加
- JPEG 2000 ラスター画像のサポートを強化
- PDFlib 仮想ファイルシステム (PVF) でのファイル操作を強化
- 関数のスコープに関する多くの制限を削除。例えば、ページ、パターン、テンプレートを任意にネストすることができます
(Dec 5, 2012 - Sep 27, 2013)