PDFlib PLOP DS (PDF を守る)
PLOP DS は、PDF を守る PLOP の機能に加え、電子署名に関する機能を持つ製品です。
PLOP DS は PLOPの上位製品にあたり、PLOP で行える処理はすべて PLOP DS でも行うことができます。加えて、PLOP DS では PDF に電子署名やタイムスタンプを付与することができます。付与した電子署名やタイムスタンプは Adobe Acrobat や Adobe Reader 単体で検証することができ、特別なビューアやアドオンをインストールする必要はありません。
PLOP の機能
PLOP DS のベースとなっている PLOP は、下記のような多彩な機能を持っています。
- PDF を暗号化
- PDF に権限を設定
- PDF を Web 最適化 (線形化)
- 文書情報項目の追加
- XMP メタデータの追加
PLOP の詳細は PLOP とはをご覧ください。
電子署名の付加
PLOP DS を使い、PDF に電子署名を付加することができます。電子署名はいわゆる電子署名法により手書きの署名や印鑑と同等の効力を持ち、PDF 文書の作成者の証明や、文書の承認者の証明に使用します。
PLOP DS の電子署名付加の特長は以下の通りです。
- 標準的な PKCS#12 や PFX 形式のファイルから電子証明書 (デジタル ID) を読み取ります。
- Windows 環境では、システムに設置された Windows 証明書ストアにアクセスすることができます。
- 既存の署名フィールドに署名を作成したり、書名を保持するフィールドを新規作成することもできます。生成された署名については不可視、またはページの特定の場所で可視とするといった設定ができます。署名の理由や場所、連絡情報など Adobe Acrobat で表示されるさまざまな署名情報を指定することができます。
- 署名はパスワードによる暗号化、権限設定と併用できます。
特に PLOP DS 5 より下記の点が強化されました。
- PAdES による署名の長期検証
- 署名または文書に対するタイムスタンプの付与
- 複数署名の付与
これにより PDF 文書の作成者の証明、作成日時の証明、作成後の改竄の有無の検証が行えるようになり、e-文書 の技術要件である真正性に対応した PDF を作成できるようになりました。
署名の長期検証
PDF の長期署名のための規格である PAdES に対応しています。これにより、証明書失効リストや OCSP の失効状態を元に、任意の時点での署名の有効性を検証することができます。
PAdES には下記のような複数のレベルが用意されていますが、PLOP DS はそのすべてに対応しています。
- PAdES-B (Basic)
- PAdES-T (Trusted time for signature existence)
- PAdES-LT (Long Term)
- PAdES-LTA (Long Term with Archive time-stamps)
- PAdES-BES (Basic Electronic Signature)
- PAdES-EPES ( Explicit Policy-based Electronic Signature)
タイムスタンプの付与
以下の規格で規定されているタイムスタンププロトコルを通じ、タイムスタンプ局から発行されたタイムスタンプを電子署名または PDF 文書に付与することができます。これにより、信頼された第三者による署名日時の証明が可能になります。
- RFC3161
- RFC5816
- ETSI EN 319 422
複数の署名の付与
1 つの PDF 文書に複数の署名を付与することができます。これにより、電子署名により作成者を証明した PDF 文書に、複数の人物が承認したことを電子署名で表すことができます。
その他の機能
その他にも、以下のような機能があります。
- Adobe Approved Trust List (AATL) を使った電子署名およびタイムスタンプの検証
- RSA、DSA、ECDSA 形式の電子署名に対応
- 各種 PDF サブセット規格への署名に対応
- PDF/A-1/2/3
- PDF/X-3/4/5
- PDF/VT-1/2
- PDF/UA-1
- 署名時にページ上に印影を表示
- PKCS#12 形式の電子署名に対応
- PKCS#11 形式のトークンやスマートカードを使った署名に対応
- Microsoft Crypt API (MCAPI) に登録された電子署名を使った署名に対応
対応する PDF バージョン
PLOP DS 5 では、下記の PDF バージョンに対応しています。
- PDF 1.4 (Acrobat 5) およびそれより古いすべてのバージョン
- PDF 1.5 (Acrobat 6)
- PDF 1.6 (Acrobat 7)
- PDF 1.7 (Acrobat 8, ISO 32000-1)
- PDF 1.7 Extension Level 3 (Acrobat 9)
- PDF 1.7 Extension Level 8 (Acrobat X/XI/DC)
- PDF 2.0 (ISO 32000-2)
また、独自の修復機能により、破損した PDF についても可能な限り対応します。
PLOP DS の利用用途
PLOP DS の主なねらいは、既存の PDF ファイルに暗号化や最適化等の処理に加え、電子署名を付加することです。
- いくつかの PDF ファイルを一括で暗号化する
- Web で PDF を配信するために、線形化やファイルサイズの削減を行う
- PDF の文書情報や XMP メタデータを編集する
- PDF に電子署名を付加する
- PDF にタイムスタンプを付加する
PLOP DS 5 の新機能
最新版 PLOP DS 5 では、さまざまな新機能を搭載しています。
詳しくはPLOP DS 5 の新機能をご覧ください。
PDF 文書解析のための pCOS インターフェース
PLOP DS には、PDF 文書中のメタデータやページ内のリンクといった属性情報を取得するための pCOS インターフェースも内蔵されています。また、PLOP DS では pCOS コマンドラインツールを使用することができます。
詳細は pCOS インターフェースをご覧ください。
PLOP DS の入手方法
PLOP DS は、当サイトの ダウンロードページからダウンロードして試用することができます。
ダウンロードした PLOP DS は評価版パッケージとして製品の全ての機能を使用することができます。ただし、有効なライセンスキーを適用するまでは、出力される PDF の先頭に試用版であることを表すページが追加されます。ご注文後、送付されるライセンスキーをパッケージに適用するとこのページは出力されなくなります。
(Apr 22, 2004 - Apr 30, 2020)