PDFlib 10 Migration Guide によるアップデート
PDFlib では過去のバージョンに存在した API やオプションが削除される場合、一旦非推奨としてマークされた後、任意のタイミングで削除が行われます。非推奨とマークされた時点では引き続き利用可能ですが、削除された後はコンパイル時や実行時にエラーになります。
PDFlib 社では、PDFlib 10 までのアップデートで非推奨や削除になった API とオプション、およびその代替手段をまとめた PDFlig 10 Migration Guide (英語のみ) を公開しております。この記事では、PDFlib Migration Guide の各章にどのような内容が記載されているかをご紹介します。
なお PDFlib Migration Guide は PDFlib パッケージの doc フォルダにも同梱されております。ご利用バージョン向けの Migration Guide はこちらをご参照ください。
1 Check for deprecated PDFlib API Features
非推奨になった API やオプションを確認するための方法について記載されています。C/C++, Java, .NET バインディング等のコンパイル言語では、コンパイル時の警告として非推奨の API を知ることができます。その他の言語では PDFlib トレースログから知ることができ、その設定方法が記載されております。
2 Deprecated PDFlib API Features
非推奨になった PDFlib API、および PDFlib API のオプションが記載されています。非推奨になったバージョンと、代替先がある場合はその API やオプションがまとめられています。本章に記載されている API やオプションを使用している場合、アップデートにあたり置き換えが必要です。
2.1 Deprecated PDFlib API Methods では、PDFlib 10 ではもはや使用できず、代替先に変更する必要がある API がまとめられております。また古い pCOS パスの移行先や、かつては PDF_{set,get}_value() や PDF_{set,get}_parameter() で使用していたグローバル値を現行の PDF_{set,get}_option() に置き換えるための移行先が記載されております。
2.2 Deprecated Options and Keywords which are no longer available in PDFlib 10 では、PDFlib 10 ではもはや使用できず、代替先に変更する必要があるオプションがまとめられております。
2.3 Deprecated Features in PDF 2.0 and non-ISO Features では、現在の ISO 標準である PDF 2.0 (ISO 32000-2) や他の準標準 PDF 規格で非推奨となった機能と、その移行先がまとめられております。
2.4 Obsolete Concepts which have been removed from PDFlib 10 では、今日のワークフローでは需要がない等の理由で PDFlib 10 から削除されたコンセプトがまとめられております。
2.5 Deprecated Features which are still available in PDFlib 10 では、PDFlib 10 で既に非推奨となっておりドキュメントにも記載されていないものの、まだ使用可能なオプションや概念がまとめられております。これらのオプション等を使用している場合は将来の削除に備えて修正を計画していただき、また新規アプリケーションでは使用しないようにしてください。