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シンプルコンピューティングのすすめ

(3)情報技術の賢い利用法

ソフトウェアはコンパクトなほど良い

プログラミングが始まった当初から、少ないメモリー、遅いCPUの制限の中でいかにコンパクトでエレガントなプログラムを書くかがプログラマーの腕の見せどころでした。ソフトウェアがコンパクトであることは、スピードが速いのはもちろん、問題の出る可能性が少ない、操作を覚えるのが簡単などのメリットがあります。これは、ハードウェアが驚くべき進歩をとげた現在でも、有効な考え方です。

ソフトウェア製品でも、「スリムウェア」などという言葉もあり、コンパクトで軽快なソフトウェアが一部市場で売られています。またワープロソフトの代わりにエディターを使うなどというのも、このような考えの延長と思われます。企業ユーザにあってもこのような観点からの検討によりユニークで有効な応用の道が開ける可能性があります。

ソフトウェア製品は数少なく、基本的な機能を使う

残念ながら、現在市場に出回っているソフトウェア製品の多くは、目いっぱいの機能を競っています。部分的に使いたいところを相応の値段で購入できれば、良いのですがそのようなかたちにはなっていません。そこで、ユーザとしては、使用するソフトウェア製品の数を適切に絞り、使う機能も基本的で安定的な機能に絞ることで、現在、未来の問題を回避することになります。これにより、製品間の不整合、バージョンアップによる互換性の問題をかなり回避できます。

標準的な技術をベースにする

ここで標準的とは、広く仕様が公開されていて、必要に応じ他社の製品や自製のアプリケーションに切り替えられ、できればオープンソフトウェアでも利用できるような技術をいいます。たとえば、インターネット関連の技術は仕様はもちろん、仕様決定プロセスが公開されています。ここで、注意しなければならないのはベンダー独自の拡張の取り扱いです。原則としては、便利な機能であってもできるだけ標準的な機能に則ってソフトウェアを利用した方が将来の変化に対して安全だといえます。拡張機能を使用する場合も、そのことを十分認識して使用する必要があります。

標準的な技術を利用する魅力のひとつは、現在、注目されているオープンソフトウェアを利用しやすくなる点です。インターネット関連の基本技術については、そのほとんどがオープンソフトウェアにより無償で利用することが可能です。たとえば、イントラネットはもともと標準的な技術で構成されており、オープンソフトウェアだけで構成することが可能です。

(イントラネット導入のポイント)

柔軟で現実的な発想を

シンプルコンピューティングは、手法でも理論でもなく、もっと簡単にすっきりとシステムを構築できないのかという観点から出てきたキーワードです。システムの素材となる情報技術はかってないほど豊かでしかも経済的に入手できる環境になってきたのですが、サプライヤーもユーザも様々な事情でこれを充分活用できていないように感じられます。

もちろん情報技術の利用には、それなりの調査と技術力が要求されるのですが、出発点として重要なのは、いかにビジネスにITを応用するかというユーザ自身の柔軟な姿勢と発想にあるのではないかと思われます。本稿が多少でもそういう方々の参考になることがあれば大変うれしく思います。